「ナグサメの滝」船形山の廃道を辿る
山を歩いていておかしいルートだな‥‥と、思ったことはありませんか。
以前から思っていたことが段々と‥‥知りたくなる。
そして段ボールからひなびた古い地図を取り出してみた。
この地図は、私の青春時代に使った昭和44年の国土地理院発行の五万分の一です。
右手の千本松山の左手にルートがありますが、現在は千本松山の右手が正規のルートなのです。
疑問その1
船形山の三光の宮から大滝に通じるルートは緩やかな尾根を北側に辿りやがては、東側の斜面を降りて保野川を渡河する。このルートは、地図を見ると記載はされておらず、ルートは緩やかな尾根の西側を表示している。<昭文社の山と高原地図>
疑問その2
大滝キャンプ場から船形山登山道に入るとすぐ左手に三光の宮へ行くルートに出る。ここのブナの木には金属板の表示にかすかに「ナグサメの滝」と判読できる。この滝の場所はどこか…草刈りのおっさんや、誰に聞いてもわからなかったのであった。
そこで、1年半前のことになりますが、2009.7/11
<URL :http://maro407080.exblog.jp/tb/8613215>に 大滝キャンプ場から保野川を遡行してみた。
この目的は、ナグサメの滝に会うことである。
百聞は一見にしかずで、真夏に入る梅雨時の日であったが曇りで丁度いい天気、なんか探し求めていた宝物に会う気分でウキウキであるが初めての沢歩きはひとりなので心細い。
長靴(普通の長靴)を履いて保野川を遡ることとした。できれば升沢小屋に到達すれば満足であったが、一の滝を越え右ルートへ、二の滝が現れてストップしたのである。
二の滝から戻り一の滝へ、ここから左の沢を選ぶこととした。つめると小滝が数カ所ありヤブに突入した。この沢は間違いなく三光の宮から大滝へ抜ける尾根ルートの西側となることをGPSが表示していた。
やがてヤブは密薮となり悪戦苦闘、とにかく引き下がれない。GPSでは、つめれば間違いなく登山道に出るのはわかるが焦りだけが先走る。ほどよく薮漕ぎし高度を稼いだところで登山者の鈴の音がかすかに聞こえてニヤリ、このまま登山道に出たら間違いなく熊と間違われるし、ビックリさせてしまうので登山者がジッと行くのをこらえた。(笑)
このときの奇跡を、沢(緑色)、藪(黄色)で表してみた。
出たドー、登山道は不動石の近くであった。安堵して草原を経て蛇ヶ岳から船形山頂へ到達した。山頂小屋では草原付近で熊を見たと話をしていた方があり、あわや藪の中で熊と遭遇したらやばかったな‥一人でブツブツ‥ラーメンをすすったのであった。
これは昭和52年版の書籍で、あきらかに今回歩いたルートを辿っていた。
さてさて、疑問の2件は解消できなかったが‥月日が過ぎていった。
いろんなブログを見ているうちに保野川を遡行して升沢小屋に辿っているTさんの記録が見つかった。
早速、疑問点を尋ねたところこのような、ことを教えていただいた。
以下、その内容である。
<…送信マロ7 日時: 2010年9月2日 18:51宛先:Tさん>
この冬に袖泉でカニ雑炊のにおいだけをいただいたマロ7です。
このコース、昨夏に行きまして、二の滝で退却、一の滝から左につめて不動石のところに出ました。一人なのでクライマーはできません。 二の滝は右斜面に巻けばよろしいのでしょうか。
あと、ナグサメの滝の古い表示板が大滝から三光宮に左折するところ がありますが、果たしてどこやらです。B氏さんはご存知ないでしょうか。 それでは…、ここは羨望のコースですよ。
そして、Tさんから回答があった。
二の滝ですが・・・右岸から(向かって左)から巻けます。
しかし、ちょっと心得のある人なら、左岸から取り付いて真ん中まで登
り、滝の方に寄って登れます。 滑りませんし、足場はしっかりしています。
ナグサメの滝のことは、今度千葉B氏に聞いてみます。
不動岩近くに出る沢は瓶石沢とそれのさらに枝沢でも出るようですが、良く分かりません。
そして、Tさんに再度、訪ねてみた。
これまでの地図を見ると、三光の宮から大滝までは沢を辿るルートで現在の尾根ルートと一致しません。
ですから、私の辿ったルートは旧道だったのではと…、そしてここにナグサメの滝があったのではと、想像です。ここには、小滝を含めて数箇所の滝がありましたよ。
新刊の東北百名山には、現在の尾根ルートで修正されているようですね。
不動岩近くに出る枝沢は最後は藪こぎで苦闘しました。
そして、Tさんから2回目の回答があった。
ナグサメの滝 少し分かりました。
ご指摘の道標は随分前に大滝キャンプ場から保野川を渡って、三光の宮へ行く徒渉点にあったものであろう、と千葉B氏から連絡が入りました。
なぐさめの滝の場所は、私が言う所の一の滝であろう、と言っています。
そして、なぐさめの滝=ナメ滝の、名前の変化があったのではな いか、との推測も付け加えて来ました。
確かに一の滝付近から旧い登山道があったそうです。
千本松山の西側を通る道が地形図に記されていますがマロ7さんは一の滝付近から旧道を辿り、1160メートルの辺りで沢筋から尾根に上が らず、不動岩と石の堂の間へ登る沢へ入ったと思われます。 最後の薮漕ぎの部分は昔から道は無いだろう、との事です。
私も興味がわきましたので旧道探しに行きたくなりました・・・近々に 行ってみようと思います。 情報源は 船形山のブナを守る会の古参の方からでした。
現在辿っているGPSログです。
まとめ…にならないまとめになりましたが…(苦笑)
ということで…、ナグサメの滝は一の滝ではないかとであること。
以前の旧道となる大滝から三光の宮までのルートは最近まで変更がされていないことがわかつた。
国土地理院のマップを本日確認したところ、昨年に発刊された東北百名山地図と同じく三光の宮から大滝まで正規にルートを表示しているようで安心ですね。
昨年の2010年は升沢小屋まで遡行計画をしたが、諸般の事情で実現できませんでしたが、今年は是非、辿ってみたいものです。
※注意 ここは沢ルートでもあり密藪でもあります。油断すれば落下する滝も数カ所あります。
また、熊の足跡が沢で確認されていますので、遭遇して追い掛けられたら逃げ場がありませんね。逃げられる自信はありませんが。
よって、ここのルートは複数で熟練者の方と行くことが肝要でしょう。
そしてお忙しいところ教えていただきました、Tさん並びに船形山管理人の千葉B氏さん、有り難うございました。本欄をお借りしましてお礼申し上げます。
以前から思っていたことが段々と‥‥知りたくなる。
そして段ボールからひなびた古い地図を取り出してみた。
この地図は、私の青春時代に使った昭和44年の国土地理院発行の五万分の一です。
右手の千本松山の左手にルートがありますが、現在は千本松山の右手が正規のルートなのです。
疑問その1
船形山の三光の宮から大滝に通じるルートは緩やかな尾根を北側に辿りやがては、東側の斜面を降りて保野川を渡河する。このルートは、地図を見ると記載はされておらず、ルートは緩やかな尾根の西側を表示している。<昭文社の山と高原地図>
疑問その2
大滝キャンプ場から船形山登山道に入るとすぐ左手に三光の宮へ行くルートに出る。ここのブナの木には金属板の表示にかすかに「ナグサメの滝」と判読できる。この滝の場所はどこか…草刈りのおっさんや、誰に聞いてもわからなかったのであった。
そこで、1年半前のことになりますが、2009.7/11
<URL :http://maro407080.exblog.jp/tb/8613215>に 大滝キャンプ場から保野川を遡行してみた。
この目的は、ナグサメの滝に会うことである。
百聞は一見にしかずで、真夏に入る梅雨時の日であったが曇りで丁度いい天気、なんか探し求めていた宝物に会う気分でウキウキであるが初めての沢歩きはひとりなので心細い。
長靴(普通の長靴)を履いて保野川を遡ることとした。できれば升沢小屋に到達すれば満足であったが、一の滝を越え右ルートへ、二の滝が現れてストップしたのである。
二の滝から戻り一の滝へ、ここから左の沢を選ぶこととした。つめると小滝が数カ所ありヤブに突入した。この沢は間違いなく三光の宮から大滝へ抜ける尾根ルートの西側となることをGPSが表示していた。
やがてヤブは密薮となり悪戦苦闘、とにかく引き下がれない。GPSでは、つめれば間違いなく登山道に出るのはわかるが焦りだけが先走る。ほどよく薮漕ぎし高度を稼いだところで登山者の鈴の音がかすかに聞こえてニヤリ、このまま登山道に出たら間違いなく熊と間違われるし、ビックリさせてしまうので登山者がジッと行くのをこらえた。(笑)
このときの奇跡を、沢(緑色)、藪(黄色)で表してみた。
出たドー、登山道は不動石の近くであった。安堵して草原を経て蛇ヶ岳から船形山頂へ到達した。山頂小屋では草原付近で熊を見たと話をしていた方があり、あわや藪の中で熊と遭遇したらやばかったな‥一人でブツブツ‥ラーメンをすすったのであった。
これは昭和52年版の書籍で、あきらかに今回歩いたルートを辿っていた。
さてさて、疑問の2件は解消できなかったが‥月日が過ぎていった。
いろんなブログを見ているうちに保野川を遡行して升沢小屋に辿っているTさんの記録が見つかった。
早速、疑問点を尋ねたところこのような、ことを教えていただいた。
以下、その内容である。
<…送信マロ7 日時: 2010年9月2日 18:51宛先:Tさん>
この冬に袖泉でカニ雑炊のにおいだけをいただいたマロ7です。
このコース、昨夏に行きまして、二の滝で退却、一の滝から左につめて不動石のところに出ました。一人なのでクライマーはできません。 二の滝は右斜面に巻けばよろしいのでしょうか。
あと、ナグサメの滝の古い表示板が大滝から三光宮に左折するところ がありますが、果たしてどこやらです。B氏さんはご存知ないでしょうか。 それでは…、ここは羨望のコースですよ。
そして、Tさんから回答があった。
二の滝ですが・・・右岸から(向かって左)から巻けます。
しかし、ちょっと心得のある人なら、左岸から取り付いて真ん中まで登
り、滝の方に寄って登れます。 滑りませんし、足場はしっかりしています。
ナグサメの滝のことは、今度千葉B氏に聞いてみます。
不動岩近くに出る沢は瓶石沢とそれのさらに枝沢でも出るようですが、良く分かりません。
そして、Tさんに再度、訪ねてみた。
これまでの地図を見ると、三光の宮から大滝までは沢を辿るルートで現在の尾根ルートと一致しません。
ですから、私の辿ったルートは旧道だったのではと…、そしてここにナグサメの滝があったのではと、想像です。ここには、小滝を含めて数箇所の滝がありましたよ。
新刊の東北百名山には、現在の尾根ルートで修正されているようですね。
不動岩近くに出る枝沢は最後は藪こぎで苦闘しました。
そして、Tさんから2回目の回答があった。
ナグサメの滝 少し分かりました。
ご指摘の道標は随分前に大滝キャンプ場から保野川を渡って、三光の宮へ行く徒渉点にあったものであろう、と千葉B氏から連絡が入りました。
なぐさめの滝の場所は、私が言う所の一の滝であろう、と言っています。
そして、なぐさめの滝=ナメ滝の、名前の変化があったのではな いか、との推測も付け加えて来ました。
確かに一の滝付近から旧い登山道があったそうです。
千本松山の西側を通る道が地形図に記されていますがマロ7さんは一の滝付近から旧道を辿り、1160メートルの辺りで沢筋から尾根に上が らず、不動岩と石の堂の間へ登る沢へ入ったと思われます。 最後の薮漕ぎの部分は昔から道は無いだろう、との事です。
私も興味がわきましたので旧道探しに行きたくなりました・・・近々に 行ってみようと思います。 情報源は 船形山のブナを守る会の古参の方からでした。
現在辿っているGPSログです。
まとめ…にならないまとめになりましたが…(苦笑)
ということで…、ナグサメの滝は一の滝ではないかとであること。
以前の旧道となる大滝から三光の宮までのルートは最近まで変更がされていないことがわかつた。
国土地理院のマップを本日確認したところ、昨年に発刊された東北百名山地図と同じく三光の宮から大滝まで正規にルートを表示しているようで安心ですね。
昨年の2010年は升沢小屋まで遡行計画をしたが、諸般の事情で実現できませんでしたが、今年は是非、辿ってみたいものです。
※注意 ここは沢ルートでもあり密藪でもあります。油断すれば落下する滝も数カ所あります。
また、熊の足跡が沢で確認されていますので、遭遇して追い掛けられたら逃げ場がありませんね。逃げられる自信はありませんが。
よって、ここのルートは複数で熟練者の方と行くことが肝要でしょう。
そしてお忙しいところ教えていただきました、Tさん並びに船形山管理人の千葉B氏さん、有り難うございました。本欄をお借りしましてお礼申し上げます。
by maro4070
| 2011-01-06 18:54
| 沢登り
ようこそお出でいただきました。あっちこっちのネタですが辛抱してみてくださいませ。(^O^)
by maro4070
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